江戸時代、朝鮮通信使の来日に際し、下蒲刈島が藩の接待所・玄関口として大歓迎をした記録が多く残されています。なかでも「安芸蒲刈御馳走一番」といわれたほどの歓待ぶりで、往時の記録をもとに全国から集めた食材を使っての豪華な膳を忠実に復元した展示は圧巻です。
 この資料館は明治中頃に建てられた富山県砺波地方の代表的な商家造りである「有川邸」を移築したもので、石置き屋根に豪壮な井桁組みを持つ重厚な建物です。
 このほか本陣とその付近を復元し、通信使の行列人形を配したジオラマ模型や、当時の通信使を再現した等身大の人形、さらに精密に再現された 1/ 10の朝鮮通信使船の模型や全国から集めた朝鮮通信使に関連した「土人形」「張子人形」、通信使行列図や船団図など、往時をしのぶ資料を多数展示し、興味深く見学することができます。





展示案内

「朝鮮通信使-江戸へのみちのり-」

 2025年9月10日(水)~11月24日(月)※振替休日

 朝鮮通信使の旅は、漢城(ハンソン・現在のソウル)から始まります。釜山で大型の外洋船の朝鮮通信使船に乗り換え瀬戸内海を航行し、大阪へ向かいました。その途中に呉市の下蒲刈島へ立ち寄っていました。大坂で川用の豪華な川御座船に乗り換え、京都の淀まで行き、京都から江戸(現在の東京)まで歩いて旅しました。朝鮮通信使は旅の記録を「使行録という日記に着けていました。そこから江戸時代の日本各地の街の様子を知ることが出来ます。
 本展では朝鮮通信使の旅に焦点をあて所蔵資料を中心にご紹介します。また、日韓国交正常化60周年を記念して松濤園御馳走一番館が所蔵する名品をご紹介します。









「朝鮮人来朝覚 備前御馳走船行烈図」 延享5年(1748) 紙本著色 1巻






   
蒲刈本陣と通信使行列の模型   三汁十五菜   朝鮮通信使船模型