蘭島閣美術館は、荘厳な佇まいの本格的木造建築の美術館です。日本の近代絵画を代表する作品や、郷土ゆかりの作家の作品などを展示しています。日本画、油彩画、版画、素描などを含めた約2,200点のコレクションの中から会期ごとに企画展示しています。
中国由来の花である梅は、厳寒の中、他の花に先駆けて咲く姿から、中国では逆境に耐える高潔な人物にたとえられ、日本でも縁起の良い花として親しまれてきました。日本画では単独で描かれるほか、さまざまなモチーフと組み合わせて描かれています。春のまだ浅い時期に咲く梅は、開花してまもなく雪に見舞われることもあります。梅の枝に積もる雪の情景や、紅白梅といった紅白の取り合わせは、美しい日本の四季ならではの景色です。梅は日本の美術を代表するモチーフといえるでしょう。本展ではこうした梅をモチーフとした作品を紹介します。あわせて、冬から春にかけての四季の風物を描いた日本画と、黒田清輝、中沢弘光ら明治から昭和にかけての洋画壇をけん引した画家たちの作品を紹介します。
また特集展示として、大正から昭和前期にかけて登場した「新版画」とよばれる、それまで国内向けの大衆商品だった浮世絵を、海外向けの芸術品として創られた新しい木版画を紹介します。新版画運動の旗手として活躍した橋口五葉と伊東深水の描いた作品を中心に、モダンな浮世絵の世界をお楽しみください。
小林古径 「紅梅」
蘭島閣美術館
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