三之瀬御本陣芸術文化館は、独立美術協会の重鎮として活躍した須田国太郎の作品を中心に、日本近現代の芸術家の作品を展示しています。また建物は、江戸時代に対馬藩一行など多くの要人が宿泊所として使用した歴史と趣きのある「本陣」の外観を復元したものです。
本展では、ご遺族からご提供いただいた洋画家の須田国太郎が手掛けた希少な銅版画7点の初公開にともない、荻須高徳(1901-1986)や絹谷幸二(1943- )など近現代日本の洋画家たちが手がけた版画を本画とあわせて紹介します。同じ画家による、油彩画と版画という異なる技法の表現を見くらべ、両者の違いや面白さを見つけながら、版画の魅力を探ります。
版画には銅版画、リトグラフ、シルクスクリーン、木版画とさまざまな種類の制作方法があります。木版画では江戸時代に庶民の間で人気を博した浮世絵版画を紹介します。
それぞれの特徴を見比べながら楽しく、お気に入りの一枚を探してみませんか。
出品作家
〇洋画家の版画いろいろ
(銅版画・リトグラフ・シルクスクリーン)
・須田国太郎(1891-1961)銅版画
・荻須高徳(1901-1986)リトグラフ
・林武(1896-1975) リトグラフ
・福島瑞穂(1936- )リトグラフ
・絹谷幸二(1943- )シルクスクリーン
〇江戸時代の浮世絵版画(木版画)
・懐月堂 度辰(生没年不詳)
・菊川英山(1787-1867)
・歌川広重(1797-1858)
・歌川豊国(三代)(1786-1864)
・歌川国輝(1830-1874)
・揚州周延(1838-1912)
・歌川芳員(江戸~明治期)
〇日本に魅せられた版画家(木版画)
・クリフトン・カーフ(1927-2007)
歌川広重 「名所江戸百景 廓中東雲」 1857年 多色摺木版
須田国太郎 「グレコ・イベリヤの首」 1936-37年 エッチング
須田国太郎 「雨後(水間村)」 1935年 個人蔵 油彩・キャンバス
須田国太郎 「狗鷲」 1936頃 エッチング
須田国太郎 「渓流の鷲」 1942年 油彩・キャンバス
絹谷幸二 「バラ」 シルクスクリーン
絹谷幸二 「薔薇」 1980年頃 アフレスコ
歌川豊国(三代)「児雷也豪傑譚」 江戸時代 多色摺木版
須田国太郎 「大和室生寺十一面観音像」 1951年 油彩・紙
須田国太郎 《「鷲」絵付け花瓶》 陶器
三之瀬御本陣芸術文化館(須田国太郎常設展示館)
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