江戸時代、朝鮮通信使の来日に際し、下蒲刈島が藩の接待所・玄関口として大歓迎をした記録が多く残されています。なかでも「安芸蒲刈御馳走一番」といわれたほどの歓待ぶりで、往時の記録をもとに全国から集めた食材を使っての豪華な膳を忠実に復元した展示は圧巻です。
 この資料館は明治中頃に建てられた富山県砺波地方の代表的な商家造りである「有川邸」を移築したもので、石置き屋根に豪壮な井桁組みを持つ重厚な建物です。
 このほか本陣とその付近を復元し、通信使の行列人形を配したジオラマ模型や、当時の通信使を再現した等身大の人形、さらに精密に再現された 1/ 10の朝鮮通信使船の模型や全国から集めた朝鮮通信使に関連した「土人形」「張子人形」、通信使行列図や船団図など、往時をしのぶ資料を多数展示し、興味深く見学することができます。





展示案内

「朝鮮通信使の歴史」

 2024年4月10日(水)~ 7月1日(月)

 チラシ(おもてうら

 徳川家康の命を受け、対馬藩主の宗義智が朝鮮王朝との交渉にあたり、慶長12年(1607)に第1次の朝鮮通信使が来日します。それから、徳川幕府の慶賀の使節として、江戸時代を通じ12回来日しました。朝鮮通信使が江戸まで旅をする各地に接待所が設けられ、広島藩の接待所はここ下蒲刈島が指定されました。江戸時代の第1次朝鮮通信使から、第11次朝鮮通信使までの11回下蒲刈島に立ち寄った歴史があります。朝鮮通信使は当時の日本に大きな影響を与え、絵画や書などさまざまな形でその様子を知ることができます。
 本展では、朝鮮通信使の記録をたどりながら、江戸時代の朝鮮通信使の歴史をご紹介します。



「朝鮮通信使富士賞賛図」 市川君圭 筆・江戸時代後期・紙本墨画


「朝鮮通信使行列図絵巻」 江戸時代中期・紙本木版手彩色





   
蒲刈本陣と通信使行列の模型   三汁十五菜   朝鮮通信使船模型